投資信託法を記録に残すなら
平均株価はピークだった八九年暮れの三万八九一五円から、九二年八月には一万四三〇九円と三分の一近くまで下落。
同様に地価も急落し、全国市街地価格指数百本不動産研究所調べ、九〇年三月=一〇〇)は六大都市の場合、九三年には七一・四、九四年には六三・二とピーク時の四割近く下がり、その後バブル崩壊後の不況は「バブル不況」「平成不況」などといわれるが、まだ一般的に決まった名称はない。 経済企画庁によると、第二循環の後半で!ある一九九一年二月から九三年十月までの三神二ヵ月が相当するが、この長さは第二次石油極ショック後不況の三六カ月に次ぐ長さだ。
返しかし、九三年十月以降も、景気が底を打力測った明確な印象は薄いことから、九〇年代を蝿通して「平成不況」と呼ばれている。 いずれ生にしても、戦後日本経済が体験した初の長期不況であることは確かだ。
も長期にわたって下がり続けた。 これを反映して、実質GDPベースにおける民間設備投資の前年比は、バブル期の八八年度から三年間は二ケタ増と盛り上がったが、九一年度から二・七%に急落し、九二年度からは七・二%減、一〇・四%減、二・五%減と三年連続で減少するという極端な振れを見せた。
このため、実質成長率も九二年度から三年連続一%以下の低成長が続いた。 とくに、最大産業である自動車産業は部品、金型、ディラーなど幅広い関連業界を抱えているが、バブル期に拡大した新車販売の伸びが止まったことから、生産設備が一挙に過剰になり、生産縮小に追い込まれた。
また、企業が一斉に経費削減に走ったことから、法人需要が多い百貨店などの売り上げも長期にわたるマイナスを記録した。 物価もマイナス傾向が続き、日本は戦後初めての本格的なデフレ経済に突入したのだった。
資産価格の下落が設備投資に影響を及ぼすメーカーニーズムは、資金調達の方法に原因があった。 多くの企業はバブル期に多額の資金調達をしたが、調達手段は土地を担保にした銀行など金融機関からの借り入れか、株価に連動した債券発行によるエクイティ・ファイナンスで行ったのである。
だから、地価や株価が上がっているうちは低金利で調達できるものの、下がってくると担保価値も下がり、金利負担に苦しむことになった。 こうした日本企業に独特の「含み益」経営がバブル崩壊で裏目に出てしまった。
これに対して政府は九二年八月、総額一〇兆円を超す総合経済対策をはじめ、九四年二月の五兆円を超す減税など、大型の景気対策を数次にわたって実施。 日銀も九一年七月に公定歩合を六%から五・五%に引き下げたのを皮切りに断続的に下げ続け、長期の超低金利政策を続けた。
内需の不振によって輸出が伸びた結果、対外黒字が大きくふくらみ、九五年に一ドル=八〇円を超す円高になったことも背景にあった。 こうした財政、金融政策が一定の効果を上げ、景気は九三年十月に底を打った。
しかし、回復力は弱いうえに遅く、九五、九六年度になって、ようやく実質成長率が三・〇%、四・四%となって危機を脱したかに見えた。 政府・日銀は「緩やかな景気回復」という表現を長期間使った。
とにもかくにも景気は立ち直ったと判断した政府は、危機的な国家財政を改善するため、九七年度から消費税率を三%から五%に上げる措置をとった。 増税と同時に医療費の負担増など、年間九兆円の国民負担増を実施したことから、これが日本経済を三番底」とも呼ぶべき大不況に導くきっかけになったのである。
景気基準日付では、まさに消費税増税直前の九七年三月が景気の山となった。 それ以降の谷は九九年時点では確認されていないが、九九年の前半になる可能性が高いと見られる。
負担増によって個人消費の大幅ダウンが続き、回復軌道に乗らないまま、九七年秋、H拓殖銀行とY証券が相次いで破綻する事態が生じた。 地価と株価のダウンをきっかけにした大型金融機関の破綻は、バブル崩壊を象徴する出来事になってしまった。
当時の日本経済は、人間にたとえると、重い風邪がようやく治った段階だったから、大型破綻という北風によって一気に肺炎を起こしたようなもの。 個人消費も設備投資も一斉に冷え込み、景気は再び悪化。
実質成長率は九七年度がマイナス〇・四%、九八年度が二・〇%と二年連続のマイナス成長を記録した。 二年連続のマイナスは戦後日本初の出来事であり、二・〇%というマイナス幅も、第一次石油ショック(七三年度)の〇・五%を大きく上回る最悪の落ち込みとなったのである。
このため、企業は一斉にリストラに走り、新規採用の抑制や中高年社員の早期退職などを実施したことから失業率が一気に上昇し、九八年度の完全失業率は過去最悪の四・三%になった。 単月では四・九%までアップし、米国を上回る「失業大国」になった。
ただ、九八年後半、政府が打ち出した二四兆円の緊急対策と、金融再生法による金融機関の整理、公的資金の注入などによって、九九年に入ると景気の底入れ感が広がった。 今回の不況の最大の特徴は、銀行などの金融機関が不良債権の重荷に耐え切れなくなって相次いで破綻し、金融システムが危機に直面した点だ。
バブルを演出した金融機関がバブル崩壊後の不況規模を広げたため、戦後の日本経済が初めて体験する深刻な事態を招いたのである。 同時に、金融ピッグパンをはじめ、自動車業界の再編、パソコン通信など情報ネットワークによるグローバル化が急速に進み、日本経済全体が国際的なメガコンペティション(大競争)の波に洗われた。
これに合わせ、「終身一厘用」「年功序列」「企業内組合」といった、戦後日本を支えてきた日本的慣行を取りやめる企業が続出、日本経済は新しい局面を迎えたのである。 この時期は、湾岸戦争(九一年)、細川連立政権の発足(九三年)、アジア通貨危機(九七年)、欧州単一通貨「ユロ」の誕生(九九年)など、内外ともに経済関連のピッグニュースが相次いだ。
た。 経済企画庁の景気基準日付によると、戦後日本は朝鮮戦争で起こった「朝鮮特需」を山にした第一循環から、「平成不況」が終わった第二循環まで確認されている。
その後の第一二循環は「緩やかな回復」が三年以上続いた後、九七年三月を山にして大不況に突入したが、九九年時点では、谷はまだ確認できていない。 この第一循環から第二循環までの景気拡大期と後退期の期間を単純平均すると、拡大期は三三・三カ月、後退期は一五・九カ月となり、拡大期は後退期の二倍以上の長さになっている。
戦後日本の景気循環には、いくつかの特徴が見られるが、最大の特徴は、バブル崩壊までの約半世紀の間、高度成長期と安定成長期のどちらにおいても、世界の中でトップクラスの良好な成長過程を踏んできたという点である。 しかし、一九九〇年代のバブル崩壊後の一〇年ほどは良好さが消え失せ、構造改革の実現に追われ続けた。
日本経済の循環パタンは、一九七三年秋の第一次石油ショックを境に、大きく変化し背景に、好況が長く、不況になっても短期間ですぐ回復する「V字型」の回復過程をたどるケースが多かった。 たとえば、「戦後初の大型不況」と騒がれた「四十年不況」にしても、実際には一年足らずで終わり、すぐ後には、戦後最長期間を誇る「いざなぎ景気」が実に五年近く続いたのである。
この最大原因は、やはり設備投資にあった、といえよう。
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しかし、回復力は弱いうえに遅く、九五、九六年度になって、ようやく実質成長率が三・〇%、四・四%となって危機を脱したかに見えた。 政府・日銀は「緩やかな景気回復」という表現を長期間使った。
とにもかくにも景気は立ち直ったと判断した政府は、危機的な国家財政を改善するため、九七年度から消費税率を三%から五%に上げる措置をとった。 増税と同時に医療費の負担増など、年間九兆円の国民負担増を実施したことから、これが日本経済を三番底」とも呼ぶべき大不況に導くきっかけになったのである。
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負担増によって個人消費の大幅ダウンが続き、回復軌道に乗らないまま、九七年秋、H拓殖銀行とY証券が相次いで破綻する事態が生じた。 地価と株価のダウンをきっかけにした大型金融機関の破綻は、バブル崩壊を象徴する出来事になってしまった。
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